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2017年02月15日(水)

大宝八幡宮と東京深川の富岡八幡宮について

こちらは当宮が所有する錦絵です。
安政四年に描かれた物です。
看板(垂れ幕?)の文字を見ると、
「於深川八幡社内開帳大寶八幡…」と
書いてあります。
つまりこの当時、深川の富岡八幡宮の社内には、
大寶の八幡様の御神体(神仏習合の時代ですから
八幡大菩薩、御本尊である仏像?)が
祀られていたんですね。

ではなぜ、東京深川の富岡八幡宮に
茨城県下妻市の大宝の八幡様が
祀られているのか・・・?

個人的見解として述べます。

富岡の八幡様が、大宝の八幡様の
御分霊であるから、と考えます。

描かれている看板なのか垂れ幕なのか、
文字を見ますとだいぶ大きさが違います。
この時代は、士農工商・家柄・格など
身分の上下にとても気を使ったことでしょう。
表記の仕方から大宝の八幡様の方が
扱いが上であることがわかります。
御開帳の期間だけの特別な取り扱いとも
考えられますが、他に江戸と常陸国の
遠距離を結ぶ御縁があるでしょうか。
違う神様ならわかりますが、
一社で同じ八幡神を祀るというのは
特別な深い関係がないと説明できません。

大宝八幡宮の御創建は大寶元年(701)、
八幡様をお祀りする神社としては
関東最古で、八幡信仰の起源、
大分の宇佐神宮から御分霊を頂いています。
※ちなみに鎌倉の鶴岡八幡宮は、
 京都の石清水八幡宮からの御分霊
関東で最も古くからある八幡様で、
宇佐神宮からの直系ということから、
富岡八幡宮創建当時の江戸の人たちに
選ばれたのではないでしょうか。

また、この錦絵の左に描かれている
扇25面が描かれた大きな掛軸は、
宝物として現在も当宮が所蔵しています。

繰り返します。個人的見解です。
諸説あるのも存じておりますので、
ご容赦ください。